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韓国総選、保守派大敗の理由「勝っても勝ったと言えず、負けても負けたと言えない」

昨日、韓国の保守系サイト「洗脳脱出」の朴ソンヒョン氏が、「勝っても勝ったと言えず、負けても負けたと言えない」と題し、今回の総選挙で保守陣営が大敗北した理由について、興味深い分析をしました。それを要約します。一言でいって、保守派は武漢肺炎で一変した大きな世界情勢の変化を理解せず、的違いな主張を繰り返していたということです。






今回の選挙で保守派が口をそろえて訴えたことは、このまま与党・共に民主党の政治が続けば、韓国は共産化し、中国と北朝鮮の属国になる。また、南米ベネズエラのように、左派の暴力的ポピュリズムの国家になり、経済が破綻すると主張しました。






保守派は盛んに危機意識を煽りましたが、国民はこれを受け入れませんでした。これらの主張は、武漢肺炎以前には言えたことですが、武漢肺炎によるパンデミックで世界情勢は激変し、保守派の主張は見当違いなものになりました。






確かに、文在寅は、中国と北朝鮮に従属することを目指しました。しかし、現在、中国は武漢肺炎の責任を追及され、巨額の賠償をする運命にあり、力を失い、北朝鮮も混迷しています。文在寅が頼りにし、ついて行こうとした中国と北朝鮮両国は、大きく後退し、保守派の「韓国は中国や北朝鮮の属国になる」という主張は根本的に成立しなくなったのです。






また、韓国が、左翼の南米ベネズエラのように、暴力的ポピュリズムの国家になり、経済が破綻するという主張も、国民は過剰に危機を煽っていると感じ、拒絶しました。






保守派は、今の世界情勢のポイントは、アメリカと中国が戦争中であり、その結果として、武漢肺炎をめぐる情勢もある。また、現在、世界は、全体主義と自由民主主義の文明の戦争が繰り広げられ、韓国もおなじ情勢下にある、という保守の見解も主張もしませんでした。すなわち、保守派は危機感だけを煽り、自分たちのビジョンを提示しなかったのです。






要するに、保守派は、武漢肺炎の変化を受け止められず、反対に、一応、武漢肺炎を鎮静化させた文在寅政権が評価されました。今回の敗北は、保守派の情勢判断の誤りと、武漢肺炎により、与党が漁夫の利を得た結果でした。






しかし、中国と北朝鮮が無力化した現在、文政権・「共に民主党」は、全体主義の国家モデルも、従う国家もなくなり、南北の連邦制統一など霧散してしまいました。与党は、自分たちの進む方向性を失い、今回の選挙で「勝っても勝ったと言えない」状況だと分析しました。





反対に、韓国をめぐる情勢は、武漢肺炎で中国共産党が無力化し、北朝鮮も金正恩が姿を消し、混沌としており、大きな流れからみると、韓国保守派の勝利は約束されており、今回の選挙の大敗について、「負けても負けたと言えない」状況なのだと分析しました。






韓国の保守派は、大規模な反文在寅デモを展開し、自由市民の連帯が強化され、組織化も始まりました。また、その運動が保守政党と連帯し始めました。一方、「韓国新保守」の文明論的思想が発展し、受け入れはじめられました。






今、韓国では、「韓国新保守」といえる人々が台頭しています。それについて、今後、ブログで説明して行きます。この動きは現在形成中のもので、明確な形あるものではありませんが、アメリカのトランプ支持派と極めて類似しており、大きな底流をつくっています。これが分からなくては今後の韓国政治の流れを予想することはできません。