宗教&インテリジェンス(旧harmonyのブログ)

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中国は崩壊、それとも延命?-「経済・カネの目」と「歴史・心の目」-

1.テレビの中国認識・ネットの中国認識



テレビ朝日の「朝まで生テレビ」やNHKなど、テレビ局の中国問題の見解を聞いていると、共通する立場があることに気づきます。中国の人権弾圧などは極力沈黙し、GDP世界第2の超大国で、今後も共産体制を維持し、発展を続けると展望していることです。保守派だと思える人々も、共産党支配は続き、それなりに発展するという前提で中国を語り、日中関係も展望します。テレビは多くの国民がみているので、人々の中国認識はこれら主張の影響を大きく受けるでしょう。フジテレビの、櫻井よし子氏がしっかり中国批判をする「ザ・プライム」などは異端といえます。





しかし、ネットの中国情報をみると、ガラッと変わります。多くの人々が、中国共産党の支配は遠からず終わるという展望をもって語っています。この違いをみると、おなじ国の意見と思えないほどです。ネット情報だけではありません。書店に並ぶ書籍の傾向も似ており、共産中国が発展する、また、延命するという未来像を描いている著作はほとんどありません。ネットや書籍では、中国共産党崩壊論が圧倒的に主流です。





現代の中国は、経済が目覚ましく発展し、人口大国、軍事大国で、共産党独裁体制は徹底しています。こんな現実を根拠とすれば、中国が崩壊せずに、発展すると考えるのが妥当といえるかもしれません。現実の経済や政治の分析からは中国共産党崩壊は導き出されません。テレビで意見を述べる人々は、「経済・カネの目」から中国を見ています。





反対に、中国崩壊を想定する人々は、共産中国がどんなに強力で、経済規模が巨大でも、必ず崩壊すると確信しています。それは、「歴史・心の目」から見ているからです。中国の未来を推測する歴史的教訓は、1980年代後半からおこったソ連・社会主義圏の崩壊です。ベルリンの壁崩壊の直前に、1989年の壁崩壊と、その翌年の90年にドイツが統一され、91年には何とソ連邦が終焉するなどと、誰が想像したでしょうか。この社会主義圏の驚くべき崩壊の歴史は、私たちが中国共産党の未来を占う歴史の座標です。ソ連崩壊が中共崩壊を想定させるのです。






2.人権・自由・民主主義の発展史が示す中国共産党の崩壊



トランプ大統領登場も歴史的出来事でした。どこの経済学者や政治学者が予想できたでしょうか。今起きている米中貿易戦争、アメリカの中国に対する強硬な政策、これらはトランプ革命という歴史的な流れの一部です。香港のデモ、台湾総統選挙での蔡英文氏の圧倒的勝利なども、確実につながっています。これらは、トランプ大統領登場という歴史の奇跡なくしてあり得ませんでした。





テレビで、中国の人権、自由、民主主義などを論じないのも、「歴史・心の目」からこの国を見ないからです。現代史は、専制政治を倒し、人権、自由、民主主義を発展させた歴史です。香港市民はまさに「時代革命」というスローガンをかかげて中国の弾圧と戦いました。人権、自由、民主主義を踏みにじる中国のやり方に注目すれば、共産党の行く末が見えます。香港、台湾の自由市民、世界の反中国の人々は、人類の自由精神の発展史を想起し、中共崩壊を確信しています。反対に、香港市民、ウイグルやチベットの人々への弾圧を一切沈黙し、中国を論じる人の神経が知れません。





これからも、歴史は驚くような展開を見せてくれるでしょう。日本では、今年の春、習近平の国賓招待が予定されています。韓国では、4月15日に、運命を決する国会議員選挙があります。文在寅が勝てば「公捜処」という、ソ連時代のKGBのような超法規的組織を国会で批准し、独裁体制を完成します。一方、自由勢力が勝てば文在寅政権は致命的な打撃を受けます。11月には、アメリカでトランプ氏再選をかけた大統領選挙があります。





現在、中国の武漢では、新型コロナウィルスの蔓延という大惨事の渦中にあり、生物化学兵器の事故と疑られ、中共の非人道的な対応が世界から批判されています。北朝鮮は、金正恩が明らかに尋常でない状態にあります。2020年、東アジアでは、二大共産全体主義国家が崩壊し、15億を越える人々が、新たに自由、民主主義の恩恵をうける、画期的時代が訪れようとしています。    (永田)