宗教&インテリジェンス(旧harmonyのブログ)

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トランプのアメリカと、文明破壊者・中国との対決 

1.アメリカがなければ窒息死する世界

司馬遼太郎さんは、33年前の1986年、『アメリカ素描』で、「もしこの地球上にアメリカという人工国家がなければ、私たち他の一角にすむ者も息ぐるしいのではないでしょうか」と言いました。司馬さんが、文明的考察のすえ、アメリカと人類との関わりについて述べた言葉です。この言葉を借りて言えば、今、もしアメリカという国家がなければ、息ぐるしいどころか、窒息死するでしょう。中国が凄まじい勢いで膨張する現在、もしアメリカがなかったらと考えると戦慄します。





2.アメリカ文明の特異性



アメリカ文明は、ヨーロッパ文明とも、他の文明とも大きく異なったものです。まず、建国理念が異なります。アメリカはヨーロッパから信仰の自由を求め渡った人々が主流となり、植民地から出発した国家です。ヨーロッパの帝国的支配、弱肉強食の国際政治、他宗教に対する不寛容という負の遺産を清算する道を歩み、自由、平等、信教の自由を高く掲げて建国しました。





人種のあり方においては、世界有数の多民族国家で、黒人の大統領が誕生するほど少数民族の権利が守られ、アジア系の人々も1500万人に及び、各方面で活躍するなど、他の西洋国家とは性質を異にする国です。今世紀半ばには、ヒスパニッシュ系を含めた非白人系の人口が白人を上回ると予想され、人種差別解消でもアメリカは世界をリードしています。





宗教においても際立っています。2012年の共和党大統領候補ミッド・ロムニー氏はモルモン教(末日聖徒イエスキリスト教会)の敬虔な信者です。長く異端視されてきた宗教の信者が、共和党という大政党の大統領候補になるほど、アメリカは宗教に寛容な国なのです。




3.中国は文明破壊国家



反対に、中国は、共産主義という、人間の自由と人権を認めない、独善的イデオロギーを信奉する国家です。中国のすべての問題はここから派生します。建国以来、数千万にのぼる国民を粛正し、今日も、民主主義を求める香港市民を暴力で弾圧しています。自由と民主主義は、文明国家の市民ならばあたりまえのものですが、14億中国人は、人間としての基本的権利を奪われています。





人種問題においては、ウイグル人やチベット人に対する残酷な迫害は、耳を覆いたくなるものです。中国は、数百万人の少数民族の人々を強制収容所に送り、そこに収容された罪なき人々を処刑し、臓器を取り出し移植し、それを外国にまで輸出しています。




30数年前、民主化を推進しようとした胡耀邦元総書記は、中国がチベット人に行った弾圧の報告を受けて、あまりの残酷さゆえ、涙を流し、直ちに、信教の自由を認め、破壊したラマ教寺院を復興しました。反対に、習近平は、「ウィグル人に容赦なく対処せよ」と言い、冷酷な弾圧をくり返しています。(ニューヨークタイムズ11.16)  中国共産党は異民族を迫害する反文明集団です。





宗教政策は、ウィグル人のイスラム教、チベット人のラマ教、そして法輪功に対する弾圧が広く伝えられます。多くの法輪功信者が逮捕され、やはり、罪なき人々を処刑し、臓器を摘出し売りさばきました。これは、長く法輪功の信徒たちが世界に訴えた真実です。また、今や中国のキリスト教信者は1億人に達しているといわれますが、自由な宗教活動は許されません。このように中共は、信教の自由を認めない反文明国家です。





4.中国共産党の敗北は時間の問題



オバマ政権は、この中国の実態を知りつつも、中国を怖れる一方、中国から経済的利益を得るため、弱腰外交を続けました。中国とは戦わないと何度も明言し、軍事協力体制をつくり、貿易同盟の締結を目指し、人民元を国際通貨に昇格する計画を推進していました。中国にとってこんなありがたいアメリカ大統領はありません。日高義樹氏は「バラク・オバマはアメリカ史上、希に見る弱気で無責任な大統領」と言っています。(『中国がトランプに完全に敗れる6つの理由』〈2017〉)





トランプ政権は、中国共産党の非道に対し明確な態度を示しました。ペンス副大統領の2度に及ぶ強力な中国批判はアメリカ政府の断固たる意志の表明です。現在進行中の米中対決は、中国の完敗で終わることは目に見えています。その理由は、アメリカの軍事力、国力が中国に優るという理由以上に、先にあげた、文明的理由によります。




中国のような反文明的国家に世界は同調するはずがないからです。民主主義国家の多数の人々は、中国共産党は倒れるべきだと思っています。もし仮に、中国が、アメリカより強力な軍事力と経済力を持っていたとしても、世界が同盟して、文明破壊者・中国を倒すにちがいありません。





4.反中国と反グローバリズムの融合



いまや、香港自由化デモを支援する反中国の連帯は、イギリス、オーストラリア、カナダなどの英連邦諸国、そして、フランス、ドイツなどのEU諸国、日本、インド、シンガポール、マレーシアなど多くの国家に及びます。主要国家を網羅し、中国は世界を敵に回しているのです。





その中心をなす国家は、アメリカとイギリスです。この二カ国の、トランプ大統領、ジョンソン首相は、反グローバリズムに立つ指導者です。中国共産党崩壊後、グローバリズムに支配されてはいけません。グローバリストは習近平が自分たちの言うことを聞かなくなったので、習近平を引きずり下ろしたいだけで、共産党を崩壊させようと思ってはいません。


私たちは、中国情勢を、反グローバリズムの立場で見て行かなければなりません。そうでなければ、習近平という獣を退治しても、もっと恐ろしい、グローバリストという獣が中国を支配することになるからです。





5.日本は、天安門事件後の愚を繰り返すな! 
       習近平国賓来日反対!



30年前の1989年、中国共産党は、民主化を求めるデモを武力で弾圧しました。世界はそれに対し怒りを発し、中国は孤立しました。それを救ったのが、何と日本でした。1992年に、天皇陛下が中国を訪問され、中国が国際舞台に復帰する決定的な契機をつくりました。




いま、日本政府は、来年の春に習近平を国賓待遇で招待するという、信じられない愚行を行おうとしています。人権弾圧国家の指導者にこんな厚遇をすれば、世界は日本を軽蔑し、日本の威信は地に落ちます。このよう外交自体が反文明的行為です。こんな愚かな選択をし、天安門後の過ちを繰り返してはなりません。自由と民主主義を愛する日本国民は、習近平国賓招待に断固として反対しなければなりません。     (永田)



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