宗教&インテリジェンス(旧harmonyのブログ)

世界−人類−日本、皆が幸福になる知を探究します。

2019年9月のブログ記事

  • トルコ ‐ 西アジア超親日国の苦悩

    1.ケマル・アタチュルクの「脱亜入欧」 トルコには国の標語があり、それが「国に平和、世界に平和」です。トルコ共和国の建国の父、ケマル・アタチュルクの言葉です。トルコの前身、イスラム主義に立つオスマン帝国は、ローマ帝国の後継者と称せるほど、地中海周辺の広大な領土を支配しました。近代に至り、西洋列強の... 続きをみる

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  • イスラエル ‐ 文明的視点から、日本が最も学ぶべき国

    1.イスラエルも「入亜の国」 イスラエルは、日本とともにアジアのなかで異質な国である一方で、世界との文明的関係や歴史の歩みは対照的で、日本のあり方を考える上で、格好の背景をもつ国です。 ユダヤ民族発祥の地は西アジアの中東で、紀元70年、ローマ軍によりエルサレムが徹底的に破壊され国家を喪失しました。... 続きをみる

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  • 〈中国・日本連合軍がアメリカ・ヨーロッパと戦う〉S・ハンチントンの予言  -マルクス主義に回帰する習近平・中国-

    1.儒教文明とキリスト教文明の大戦争 『文明の衝突』の著者である、アメリカの国際政治学者サミュエル・ハンチントン氏は、21世紀は世界の文明間の葛藤、対立が深刻化すると論じ、そのなかでも中国の儒教文明とキリスト教文明は戦争に至るほど激しく対立する可能性があると予想しました。 1996年に出版されたこ... 続きをみる

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  • 世界巨大文明圏と日本の21世紀戦略

    1.文明的宿命と国家戦略 国家にとって、自国が属する文明圏や周辺諸国、地域との結びつきは、国家生存問題や国家戦略のあり方と切り離せないものです。世界では常識的観念ですが、日本人には疎いことをふたつ挙げてみます。 ひとつは、自国文明が巨大文明圏と不可分のものとして繋がっているという観念です。もうひと... 続きをみる

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  • 西洋没落・アジア勃興・反グローバリズムへ

    1. 西洋没落の衝撃・世界大戦の衝撃・核兵器の衝撃 20世紀前半は凄まじい戦争の時代となり、脱亜を推進した体制は崩壊に追い込まれます。1914年に勃発した第一次世界大戦は、総力戦という様相となり、双方の死者は800万人、過去の戦争と比較にならないほどの被害を出し、シュペングラーの『西洋の没落』が注... 続きをみる

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  • 脱亜論と国家戦略 -亜細亜東方の悪友を謝絶する-

    1.脱亜論以前に脱亜的外交を実行 明治日本外交の背景となる思想は、福沢諭吉の「脱亜論」に表現されています。福沢は日本が中国、朝鮮と友好を保つことは、全く得るところがない上、西洋人から日本が両国と同類視されることになり外交上の弊害があるとし、「西洋の文明国と進退を共にし、其支那朝鮮に接するの法も隣国... 続きをみる

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  • 明治時代、日本はどんな「文明転換」をしたのか?

    1.キリスト教への改宗による文明転換ではない 明治期における、日本の文明選択と転換について考えてみましょう。キリスト教への改宗により、日本がキリスト教文明に帰属したならば、改宗による文明の転換といえます。世界には、多神教文明から一神教文明への転換、或いは、おなじ一神教間でも文明交代がありました。 ... 続きをみる

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  • なぜ、明治政府はキリスト教を容認したか?

    1.まさに、西洋キリスト教国家群の圧力 日本が、西洋中心の国際社会に参加する画期的契機となったのが、明治4年(1871)の「岩倉遣欧使節」です。この使節は、不平等条約を改正させることが主目的でしたが、それにはほとんど役に立ちませんでした。新政府の重鎮である岩倉具視や大久保利通、木戸孝允、伊藤博文を... 続きをみる

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  • 龍馬と海舟から、大久保と伊藤へ -明治維新の理想と現実-

    1.龍馬と信長 -地球儀をみて戦略を立てた男- 安政1年(1854)、徳川幕府は、アメリカの軍事的威嚇を受け開国しました。日本は有史以来始めて、外国の圧力により重要国策を転換したのです。これはまた、日本が長く享受してきた平和的国際環境を喪失し、「島嶼独立国家時代」が終焉したことを告げる出来事でした... 続きをみる

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  • ノエル・ペリン著『鉄砲を捨てた日本人』について

    1.江戸日本は、鉄砲を捨てた世界が見習うべき国 1979年、アメリカで『鉄砲を捨てた日本人』という本が出版され反響を呼びました。著者はノエル・ペリン氏です。ペリン氏は、朝鮮戦争に従軍し、日本にやって来たことがある人物ですが、戦国時代の日本は、世界一の鉄砲生産国でした。しかも、実戦で盛んに使用したに... 続きをみる

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  • ヨーロッパから見た「元禄日本」 -ケンペルの驚くべき証言-

    1.「彼は孔子の教えによって教育された」 当時、強い関心をもって日本を観察していたひとりの西洋人がいました。元禄4年(1691)、オランダ船船医として長崎、出島に渡来したドイツ人医師ケンペルです。彼は博物学者であるとともに東洋研究家で、彼が著わした『日本誌』に、綱吉とその統治、鎖国下の日本について... 続きをみる

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  • 「天下泰平の世」はどうして実現できたのか?

    1.綱吉の強力な文治主義 幕府と朝廷、そして儒教界・仏教界という文治のつながりは、社会に「文」の価値を復興させ、「戦国殺伐の余習」を克服する力を発揮しました。この戦国余習の悪弊は根強いもので、3 代将軍家光のような武断統治の政権や、つづく、4代家綱の脆弱な文治主義では到底解決できず、5代綱吉の「強... 続きをみる

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